『テムズとともに -英国の二年間-』(テムズとともに えいこくのにねんかん)は、徳仁親王が1983年6月から1985年8月までのイギリス・オックスフォードでの留学生活を回顧したエッセイである。1993年に学習院の創立125周年記念の学習院教養新書として刊行された。2006年1月、元駐日イギリス大使、ヒュー・コータッツィ(Hugh Cortazzi)の翻訳で英訳され、イギリスで出版された。 学習院大学大学院で日本中世の交通史を研究した徳仁親王は、1986年からオックスフォード大学のマートン・コレッジで2年間の研究生活を送り、ロンドン警視庁の警護官2人に代わる代わる身辺警護される以外は自ら洗濯を行い、買い物を行う生活を行った。学友とスポーツや室内楽の演奏を楽しみ、マサイアス教授のもとでテムズ川の水上交通史の研究を行った。それらの体験が淡々と記述されている。この書物の評する人々がよく引用するのは、イギリスを離れる前にオクスフォードの街をもう一度確認するために歩きながらの感想である。 「再びオックスフォードを訪れるときは、今のように自由な一学生としてこの町を見て回ることはできないであろう。おそらく町そのものは今後も変わらないが、変わるのは自分の立場であろうなどと考えると、妙な焦燥感におそわれ、いっそこのまま時間が止まってくれたらなどと考えてしまう。」 平成5年の初版本。経年による細かいしみ等がありますが未読の新品です。
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